制裁対象追加:北朝鮮の違法な資金源となっていたミキサーとロシアのマネーロンダリング業者

OFAC(米国財務省外国資産管理室)は、以下の事業者と個人を制裁対象に追加しました。

  • SINBAD (Sinbad.io)
  • エカテリーナ・ヴァレリエヴナ(Zhdanova, Yekaterina)
  • Sinbadのアドレス(計2件)
    • bc1qq7p0es3dv5hcynjjf40f2xjjr6qp5py47d2f6n847vduuq9gvnyq7y9ecd
    • 1JHdQHkBZiim1cb4hyUh2PbzEbbg6z2TrF
  • Zhdanovaのアドレス(計3件)
    • 1Ljk8RNNabkZ9bfDYQBn98XfFozJhTjqcZ
    • 3685sEusmTwZBiKJ4cgV73EAhpVD1nbgbe
    • 39p8qWp1bkBNhi4vPpFTetKPtH7goqNDZf
引用元はこちら:https://ofac.treasury.gov/recent-actions/20231129
       :https://ofac.treasury.gov/recent-actions/20231103


制裁対象理由はそれぞれ以下のとおりです。


〇北朝鮮の資金源となっていたミキサー Sinbad.io

 Sinbadが制裁対象に指定されました。OFACによると Sinbadは北朝鮮が管理する組織Lazarus Groupが強奪した多額の暗号資産のミキシングを行っており、またその他制裁回避や薬物取引、ダークマーケットでの違法商品の売買などの犯罪行為に利用されていたとのことです。

 Sinbadは2023年6月にAtomic Walletの顧客から窃盗した1億ドル相当の暗号資産のマネーロンダリングを行ったとされ、2022年にはAxie Infinityから盗まれた約6億2000万ドル(約913億4600万円)とHorizon Bridgeから盗まれた約1億ドル(約147億3760万円)のロンダリングも行っていたと報告されています。

 SinbadはLazarus Groupが強奪した暗号資産の出所や送金先、相手先を攪乱するためミキシングを行い、北朝鮮に違法な手段で入手した資金が渡るようにしていたとのことです。 Lazarus GroupはこれまでにもBlender.io(2022年5月制裁対象指定)、Tornade Cash(2022年11月制裁対象指定)のミキシングを利用して違法な資金調達を行っていたとされており、2019年にOFACに制裁対象として指定されました。この組織は北朝鮮の違法な資金調達手段として10年以上に渡り20億ドル(約2947億円)相当以上の暗号資産を窃盗していると見られており、盗まれた資産は北朝鮮の大量破壊兵器や弾道ミサイル開発の資金源になっているとのことです。

 Lazarus Groupについては本サイトで過去に投稿した記事もございます。参考としてご参照ください。
 https://dtsfinsolution.jp/2022/04/19/north-korean-address-sanctioned/


〇ロシアのエリート層、ランサムウェア攻撃者の資金移動を行ったマネーロンダリング業者

 ロシアのウクライナ侵攻に対しOFACがロシアに経済制裁を課したことを受けて、Zhdanovaはロシアの顧客が230万ドル(3389万円)以上の資産を不正に開設した投資口座や不動産購入で西ヨーロッパに移動させるため、資産の出所を攪乱する手助けをしたとされています。これによりロシアの顧客が国際的に敷かれた制裁網を搔い潜り、西側の市場にアクセスできるようになっていたとのことです。

 ZhdanovaはAML/CFTの義務を順守せず違法な取引をするGarantex(2022年制裁対象指定)のような交換所を利用して大規模な国境間での取引ができるよう手助けしていたとされています。 また、様々な方法で資金移動をしており、現金の使用や国際的な他のマネーロンダリング組織を利用したり、世界中に支店がある高級腕時計店などを通じて国際金融市場へのアクセスを維持していたと言われています。

 OFACによると、Zhdanovaはロシア国外に移転した同国の権力者の暗号資産の移動を行っており、一例としてある政治家の1億ドル(約147億3760万円)を超える資産をアラブ首長国連邦に移動したとのことです。 また、Zhdanovaはロシア顧客に対しアラブ首長国連邦を納税地とする手助けをしたとされており、ロシア顧客たちの身分を攪乱することに加担した可能性があるという見方もあるようです。アラブ首長国連邦の身分証明書や銀行口座などを提供するサービスを実施していたとされており、現金や暗号通貨でドバイの銀行口座に入金された資産を国外の各ロシア顧客の口座に送ることで、ロシア顧客の資金源をつくり、世界中どこからでも資産を管理できるメリットがあったとのことです。

 また、Zhdanova は2021年にRussian Ryukというランサムウェア集団の被害者が支払ったとされる230万ドル(3389万円)以上の資金のロンダリングも行ったとされています。Ryukはアメリカを含め世界中で多数の人を狙うために使用され、2022年にはアメリカの法執行機関で病院や医療事業者に対する差し迫った脅威として特定されている組織とのことです。


※2023/12/6現在の1USD = ¥147 で換算

CipherTrace製品ではサンクション対象となったアドレスに関する情報を随時提供しており、製品をご利用いただくことでこれらのアドレスに関する詳細や関連する取引等を検知することが可能となっております。またCipherTrace社では様々な統計学を用いてクラスタリングを実施しているため、サンクション対象となったアドレスを所有するオーナーに紐づくその他の公表されていないアドレスに関しても検知が可能となっております。

CipherTrace製品に関する詳細は以下よりご確認ください。


本記事の参照元リンクはこちら