暗号資産(仮想通貨)詐欺の実態
CipherTrace社の調査によると、近年のビットコインやその他の暗号資産の拡大とともに、暗号資産に関わる詐欺も年々増加傾向にあるとのことです。詐欺被害等における暗号資産の回収は非常に難しく、暗号資産取引特有の透明性は紛失した資金の追跡にはある程度役立つようですが、一方この分野を管理する規制のつぎはぎ構造や、この種の金融詐欺に対する専門知識の欠如が、盗まれた暗号資産の回収を難しくする要因の一つとなっているようです。
また、米国連邦取引委員会ではおよそ1兆USドル規模の暗号資産市場において、昨年は6億8000万USドルの暗号資産詐欺被害が報告されているとのことです。特に偽のインフルエンサーが宣伝する投資スキームや、ロマンス詐欺といったような詐欺の被害に遭ってしまう方が多い傾向にあるようです。
もし被害に遭ってしまったら
CipherTrace社では暗号資産詐欺の被害に遭ってしまった方向けに、「その後の対処法」について以下4つのステップをご紹介しております。
- 詐欺と関連性のあるトランザクション(ブロックチェーン上の取引)IDをメモしておく
- 被害に関して以下のような詳細を書き出しておく
- 相手先の情報ややり取りの内容
- 暗号資産の送付日時
- 送付した暗号資産の種類や金額
- 暗号資産を送付したきっかけ
- 暗号資産の送付方法
- 暗号資産の送付元/送付先情報(アドレスやサービス名、当該サービスのURL等)
- 盗まれた資金が自身のものであったことを証明する証拠を整える
- 被害のあった自身のウォレットへのアクセス等
- 法執行機関や警察等へ今回の事件に関して報告や相談を行う
また、各ステップの詳細や留意事項等に関しましては以下にて記載されております。
https://ciphertrace.com/how-to-get-bitcoin-back-from-scammer/
国内外問わず、現時点では基本的に上記のようなステップを進めることになるかと思いますが、被害の報告先や方法については国によって少々異なる部分があるようです。例えば日本の場合は主に直接警察へ出向いて詳細に関し報告したり、法律事務所へ相談に行くといった方法が挙げられますが、海外の場合はオンライン化が進んでおり、定められた機関にインターネット上でレポートを提出するといったような方法もあるようです。もちろん中には誤った報告をする方もいるようで、より厳格化するために提出の際には個人識別番号を入力させたり対策しているようです。
資金回収の可能性について
盗まれてしまった暗号資産の回収はその性質上、冒頭でも記載した通り非常に難しく、米国司法省でも課題として挙げられているようです。その要因となるのが「暗号資産に関する専門スキル/知識の欠如」や「暗号資産取引のスピード・通貨として国を問わない性質」であったり、「暗号資産の追跡を可能とするブロックチェーン追跡ツール等へのアクセス不足」などとのことです。課題解決に向けてこれらが次第に改善されていくことで資金回収の可能性に関しても上がっていくことが期待されます。
弊社では販売代理店として上記にて記載しておりますブロックチェーン追跡ツール「CipherTrace Inspector™️」を捜査機関や法執行機関向けに提供しております。
※ CipherTraceの全てのサービスは2024年3月をもって提供を終了いたしました。
本記事の参照元リンクはこちら
- https://www.ftc.gov/news-events/data-visualizations/data-spotlight/2022/06/reports-show-scammers-cashing-crypto-craze
- https://www.justice.gov/ag/page/file/1510931/download
https://ciphertrace.com/how-to-get-bitcoin-back-from-scammer/