CipherTrace Traveler™には、トラベルルール対応におけるサンライズ問題の解決を支援する機能が搭載されています。
※ CipherTraceの全てのサービスは2024年3月をもって提供を終了いたしました。
サンライズ問題とは
サンライズ問題とは、トラベルルール規制の適用を開始している法域とまだ適用を開始していない法域のそれぞれに存在する暗号資産事業者(VASP)間での暗号資産取引情報(取引情報)の交換について、交換開始時期の足並みが揃わないことなどに関する問題です。かねてからFinancial Action Task Force(FATF/金融活動作業部会)でも懸念されています。
トラベルルールは新しい規制であり、法制度を定め、規制を開始している法域はまだまだ多くない状況です。そのため、規制を開始していない法域のVASPでは取引情報の交換を行うための手段が未整備、もしくは整備中の段階ということが考えられます。結果、規制を開始している法域のVASPと開始していない法域のVASP間においては、取引情報の交換が行えない事例が発生すると予想されています。しかし、現状ではこの問題に対する統一された解決策は存在しません。
CipherTrace Travelerについて
CipherTrace Travelerは、トラベルルールにVASPが対応するためのソリューションです。TRISA*の規約/アーキテクチャに準じて開発されており、TRISAによって精査されたVASPとトラベルルールに準拠した取引情報を安全なネットワーク上で交換可能できます。
*TRISA とは
トラベルルールに準拠した規約/アーキテクチャの策定をする非営利団体です。Travelerを利用する場合には、このTRISAへの加盟が必要であり、TravelerはTRISAを通じて取引情報を相手先VASPとやり取りすることになります。TRISAについて詳細をご確認されたい場合は、以下ニュース記事よりご確認いただけます。
Travelerがサンライズ問題に提示する一つの解決策
Travelerでは、サンライズ問題に現時点で有効な以下のような解決策を提示しています。
- 取引情報の交換が行えない相手先VASPに対し、一時的にメッセージが送信可能となる仕組みの提供
サービス利用者より暗号資産送金等の依頼を受けたTraveler利用中の送信元VASPは、相手先VASPが自身と取引情報の交換が行えない(交換を行うための手段が未整備、もしくは整備中の段階など)場合、相手先VASPのコンタクト先e-mailアドレスを知っていれば、自身が相手先VASPへ取引情報の送付を希望している旨、Travelerを通じ通知を送ることができます。この通知にはCipherTrace社が定めるデューデリジェンス手続きを行うためのリンクが含まれており、相手先VASPはこのデューデリジェンス手続きを完了させることでTraveler利用者から送られた取引情報を確認することができます。
この解決策を通じ、Traveler利用者はサンライズ問題にひとつの解決策を見出すことが可能となります。
本記事の参照元リンクはこちら
・https://ciphertrace.com/general-availability-of-the-traveler-web-application/